沖縄の伝統スイーツ

意外に多い沖縄の伝統菓子

沖縄県の伝統的なお菓子と聞いてどんな名称を思い浮かべるでしょうか。

おそらくほとんどの人が「サーターアンダギー」や「ちんすこう」「かるかん」あたりを挙げるのではないかと思います。

ですがそうした有名なスイーツの他にも沖縄県には伝統的な菓子がたくさん存在しています。

「クンペン」「タンナファークルー」「なっとぅいんす」「ぽーぽー」「ちんびん」など、よほど沖縄に詳しい人でないと名前を聞いてすぐにそのお菓子がどういうものか説明することはできないでしょう。

沖縄における菓子類の多くはかつて沖縄の島々を治めていた琉球王国の宮廷料理として考案されたものです。

そんな宮廷菓子の代表となっているのがちんすこうで、小麦粉に砂糖、ラードという当時は非常に贅沢な材料を使って作られてきました。

ちんすこうは口にしてみるとほろりと崩れる柔らかさがありつつ上品な味わいが漂います。

お菓子の構成自体はシンプルな作りをしているため、他の料理との相性もよくアイスクリームの付け合せやお茶うけなどに広く使用されます。

また日持ちもよいので沖縄で長期間の旅行をするという人にとっても大変便利です。

伝統的な宮廷菓子である「クンペン」

ちんすこうと並んで宮廷菓子として長らく作られてきたのが「クンペン」です。

「クンペン(コンペンと呼ばれることもある)」は、見た目的にはちんすこうとあまり変わらない、丸みのある小麦粉を固めたようなお菓子です。

しかしちんすこうが中身をどこで割っても同じシンプルな焼き菓子であるのに対し、「クンペン」はおまんじゅうのように中に餡状のものが入れられているのが特徴です。

もともと「クンペン」は宮廷で食べられるお菓子であるだけでなく中国の皇帝への貢物としても献上されたという大変由緒あるお菓子であり、他にも祈祷を行う巫女が供物として使うなど歴史的な意義はかなり高いものとして伝えられています。

クンペンは生地の中にゴマや落花生といったものが入っており、口にした時にはさっくりとした歯ごたえがあります。

同時に中身には餡が入れられていることからふんわりとした舌触りも同時にあり、この2つの風味がなんとも言えない絶妙の高級感を作り出します。

かつては高級宮廷菓子として使用されてきましたが、現在では1個100円くらいから購入できるようになっているので、まずはおためしで一つ食べてみることをおすすめします。

クンペンによく似た庶民菓子「タンナファークルー 」

見た目は非常にクンペンに似ているものの、庶民向けの菓子として広く製造されているお菓子として「タンナファークルー」があります。

「タンナファークルー」はサーターアンダギーと同じように手軽に作ることができる庶民のためのお菓子であり、小麦粉をベースにしつつ甘みには黒砂糖を使用しているというところに大きな特徴があります。

お店で売られているときもしっかりと1つずつ包装されているわけでなく、大袋の中にざっくりとたくさん詰められているお徳用サイズが多く見かけられます。

その分ボリューム感はたっぷりで、子供や大勢で食べるおやつとしても便利に使用できます。

こちらは甘食に近いふんわり風味のパンなので、牛乳などと一緒に食べると懐かしさを感じることもできそうです。