沖縄には数多くの伝統菓子がありますが、中でも珍品として有名なのが「ちんすこう」です。
ちんすこうは独特の食感を持つ砂糖菓子で、その起源は15世紀にまで遡ります。
元は中国大陸から伝来した蒸しカステラだったようで、当時の琉球王朝での宮廷料理として貴族たちが口にしていたといいます。
「ちんすこう」という名称も「金すこう」「珍すこう」という「すこう=お菓子」の前に貴重なものを示す単語を追加してえ作られたという説が有力で、以前は高価な一般の人にはなかなか手に入れられないお菓子として扱われていたようです。
時代が変わり現在ではちんすこうはお土産屋さんなどで安価に購入することができる一般的なお菓子となっており、沖縄ならではの珍味スイーツとして気軽に楽しめます。
ちんすこうの材料はとてもシンプルで、薄力粉・上白糖(又は三温糖)・ラード(又はショートニング)の3つだけです。
レシピはまずラードを常温で柔らかく戻しておき、それをクリーム状になるまで柔らかくほぐします。
そこに上白糖を加えて混ざりあったら、ふるいをかけておいた薄力粉を加えて生地として固めていきます。
ある程度塊になったら3センチ四方くらいの球体にしてオーブンで焼き上げていきます。
この焼き上げがなかなか難しく、うまくいかないと生地が割れたり焦げてしまったりします。
沖縄県内にはちんすこうを取り扱っているメーカーが複数あります。
基本的にはどのお店も平均的においしい味が出せていますが、初めて購入する人におすすめなのは老舗菓子店である「新垣菓子店」のものです。
新垣菓子店は昭和7年(1932年)創業の名店で、琉球王朝の頃のレシピをできるだけ再現することでちんすこうを製造しています。
ちんすこうの正しいレシピは実は大戦中に多くが損なわれてしまっており、古代のままの形で再現するのはかなり難しいというのが現状です。
新垣菓子店のちんすこうは六角形をした上品なサイズとなっており、新たに商品ラインナップとして追加された紅芋味やチョコ味などを加えて6種類の味で楽しむことができます。
沖縄名物として販売されているちんすこうは24種類があるとされています。
あまり伝統的なものよりももう少し食べやすいものということで選ぶなら、新しいメーカーのものもおすすめです。
食べやすさということでいくと人気があるのは南都物産の「南都のちんすこう4種」というもので、しっかり堅焼きをしたちんすこうとナッツのような香ばしい香りが特長的です。
どちらかというとサブレのような食感に近いので、コーヒーや紅茶といった飲み物ともよくあいます。
バラ売りをしているお店もあるのでいくつか食べ比べをしてみてもよいかもしれませんね。
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