鹿児島の代表的なお土産「かるかん饅頭」

鹿児島名物かるかんの中にあんこが入った「かるかん饅頭」

鹿児島を代表する銘菓として「かるかん」があります。
かるかんとは、かるかん粉と呼ばれるうるち米を半乾きさせた独特の粉を使い、そこに自然薯(山芋の一種)と砂糖を混ぜて練り上げたものを蒸して作ったお菓子のことです。

中に小倉餡が入っていないものを「かるかん」、饅頭のようにあんこが入れられているものを「かるかん饅頭」と呼んで区別をしています。

かるかんは他の地域では類似品の見られない非常に珍しいお菓子で、鹿児島を訪れたら絶対に買うという人も多くいます。
他の小麦粉をベースにした饅頭と異なり軽い口当たりが特徴的で、シンプルな甘みを感じることができます。

かるかんそのものが鹿児島で作られるようになったのはだいたい17世紀後半~18世紀前半とされており、当時統治をしていた薩摩藩によって広められました。

当時の鹿児島地域には山芋が数多く自生しており、そこに特産品であるサトウキビで甘みを付けたことにより安価で美味しいお菓子を作ることができたと言われます。

山芋を生地として練り込むことで蒸したときに多くの気泡が発生し、ふんわりとしたボリューム感と口に入れたときにしっとりとした質感ができます。

「かるかん饅頭」を買うときおすすめの菓子店

かるかんおよびかるかん饅頭は現在鹿児島内で営業している複数の菓子店によって取り扱われています。
お店にとってそれぞれ個性があるので、購入するときにはそれらの個性を楽しむという方法もあります。

初めてかるかん饅頭を購入するなら、まずおすすめとなるのが「明石屋」という老舗です。
明石家はもともと江戸でお菓子づくりをしてきた播州明石出身の八島六兵衛翁を鹿児島藩主であった島津斉彬が招いたことで誕生したお店です。

現在営業している明石家は八島六兵衛翁から数えて七代目になりますが、時代ともに研究を重ねてきたかるかん饅頭は他のお店とは一味違った伝統を感じさせるものです。

明石家のかるかん饅頭は本店だけでなく鹿児島空港内にあるエアポート山形屋にも出店しているので、比較的容易にお土産として購入ができます。

老舗ということでもう一店選ぶなら、霧島市に本店を置く「徳重製菓とらや」があります。
とらやは鹿児島市内にある大手ショピングモールや百貨店にも出店しているので、鹿児島市内を少し探索すればすぐにお店を見つけることができます。

とらやは明治17年に初代徳重八太郎が「徳重屋」として創設されたお店で、かつて近くの温泉を使用していた西郷隆盛が道中に訪れ、八太郎の妻が作ったお菓子を食べて絶賛したことから始まったと言われます。

かるかん饅頭の他に「創作生かるかん」という生八ツ橋に似たタイプのかるかん饅頭もオリジナル商品として販売しています。